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鹿洲公案―清朝地方裁判官の記録 (東洋文庫 (92))

鹿洲公案―清朝地方裁判官の記録 (東洋文庫 (92))
宮崎 市定
鹿洲公案―清朝地方裁判官の記録 (東洋文庫 (92))
定価: ¥ 2,100
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発売日: 1967-06
発売元: 平凡社
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清朝版大岡裁き
清朝第5代雍正帝の治世、不作が続いた広東州潮陽県に一人の官吏が赴任する。名は藍鼎元、雅号を鹿洲という。着任してみると、倉庫は空っぽ、軍隊に支給する食糧がない。原因は租税の滞納にあるが、吏員は納税義務者の土豪を恐れて徴税に赴かない。督励した前任者は吏員にストライキを起こされ、免職された。どうしようもありませんと部下たちは口を揃えて言う。
普通の長官なら匙を投げる難局を藍鼎元は持ち前の胆力と機略で次々に解決してゆく。その手並みの鮮やかさは「まことに神業」としか言いようがない。読んでいると、本当に胸がすっとする。気分爽快になる。しかも、本書の23話は創作ではなく、「実際にあった話」なのである。実社会の諸相を描いて、こんなに面白い本がほかにあるだろうか。
本書は序文の代わりに「実際にあってもいい話」と題する創作を載せている。陳舜臣の小説を思わせる書き出しであるが、あの謹厳な先生のどこにこんな遊び心があったのか。隅に置けない先生です。言うまでもないが、訳文はこなれていて読みやすい。
藍鼎元は科挙には何度も失敗した。だから学歴は低い。しかし、彼の遺著「鹿洲全集」24冊(公案2冊を含む)は、当時の新領土台湾の統治に関する提言が数多く含まれていた。後年、日本が台湾を統治したとき、総督府はこの全集を施政の参考にしたという。その結果(かどうかは定かでないが)、台湾は日本の歴史教科書に横槍を入れたりしないのである。

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