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犬になれなかった裁判官―司法官僚統制に抗して36年
安倍 晴彦

定価: ¥ 1,575
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発売日: 2001-05
発売元: 日本放送出版協会
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少しもの足りない
青年法律家協会(青法協)活動を行い、憲法や平和を守っていこうという考え方を持つ裁判官が、退官後に、裁判官時代をふりかえって記述している。官僚性を払拭し市民との直接の接触を進めようとする姿勢は、本書を読む限り共感できる部分もある。
しかし「司法官僚統制に抗して36年」という副題にもかかわらず、そのことが直接に書かれている部分はわずかであり、多くの部分は著者の単なる思い出話になっている。また、代用監獄問題などの重要なテーマにも触れているが深い解説になっていない。
それでも、最高裁が転勤、給与、再任拒否などの手段で裁判官の統制をしようとすることについては、その真偽・是非などもっと関心を深めていく必要があると感じた。裁判(官)の自由・独立と官僚統制について考える「きっかけ」になるという意味では有意義な本。
驕れる司法官僚を許すべきではない
もし安倍氏のような裁判官が多数派であったならば、日本社会はもう少しましな状況になっていただろうに、と思います。 こういう人が現実にいるのだから、そうでない裁判官・司法官僚が中枢を占め、「司法権の独立」に名を借りて「官益」維持に加担していることに深い怒りを覚えざるをえません。
数年前公開された、映画『日独裁判官物語』と併読すると、日本の司法制度の何が問題であり、なぜ一般人にとって法が遠いものなのか、ポイントが理解できます。
裁判官とは国民の法律上の権利・義務の存否を判断する仕事ですから、本来は「民益」のために仕事をしてくれなければ、困るのは国民であり、一般の人々なのです。
惨状を何とかする努力を何もせずに、既得権に閉じこもり、あるいは国民と司法の乖離を歎くのみとすれば、それは法律家の驕りでしょう。
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