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刑法各論講議 第4版

刑法各論講議 第4版
前田 雅英
刑法各論講議 第4版
定価: ¥ 3,885
販売価格: ¥ 3,885
人気ランキング: 59216位
おすすめ度:
発売日: 2007-01
発売元: 東京大学出版会
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実務にも有益な数少ない学者本
 理論的でないとか,結果無価値を徹底していないという批判が世間には聞かれます。
 理論的であっても裁判実務に通用しなければ,少なくとも実務界での存在価値は皆無です。
 実務家にとって最も大切なことは,裁判実務で通用する主張をすることです。
 そのためには,裁判所の思考(裁判例)を正しく分析する必要があります。
 この意味において,本書は実務にも有益な数少ない学者本といえます。
 

結果無価値論の本ではありません
 本書が,結果無価値論の基本書として紹介されていることに驚いています。本書を結果無価値論の立場と理解するのは誤りであると考えます。
 我が国の結果無価値論は,戦前から佐伯千仭先生が主張され,戦後は平野龍一教授が提唱されて多くの追随者を生み出したものですが,その目的は,罪刑法定主義の実践であり,処罰範囲を明確にすることです。そのために平野教授の分析的思考が必要とされたものです。実質論の名の下に,全体的に考えたり,社会的相当性や国民の処罰感情といったマジックワードを用いることで結果として処罰範囲を不明確にすることを何よりも恐れたものです。
 我が国の結果無価値論は,社会統制手段としての刑法の機能の限界を,深く自覚するところから出発しています。決して,違法性の本質を法益侵害ととらえるだけが結果無価値論なのではなく,明白な理由があるのです。
 本書は,初版の時から,実質論を強調されていましたが,版を重ねる毎にその傾向は強まり,その間の少年法改正に関する著者の発言や論考を見ても,今では,結果無価値論と言うより,藤木説に近づいているといえるでしょう。

学説を極める。
・とにかく学説尽くし。ここまで他説を書ききっている本はない。
・論点同士の関連も濃厚。山口刑法とは違った意味で理論派の教科書。
・学説勝負の旧司法試験択一のバイブルとしてベストセラーだった。
・少数説、異説が多いが、そんなこと気にならないくらい他説の解説が行き届いている。
・判例の分析、検討も非常に充実。
・実務常識を踏まえた説明。刑事訴訟法(池田修先生と共著)とのクロスリファレンスも。

 学説を書ききった本を探しているならこれ以外にない。
 上級のロースクールは学説をテコにした推論問題が結構来る。学説はある程度突っ込ん
で知っておきたい。そして、そういう要求にこたえられる本はなかなかない。

 全体的にかなりアドバンスな内容なのは覚悟すべき。
 

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