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犯罪と刑罰 (岩波文庫)

犯罪と刑罰 (岩波文庫)
風早 八十二

定価: ¥ 630
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人気ランキング: 23637位
おすすめ度:
発売日: 1959-01
発売元: 岩波書店
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「近代」の立役者の一人として
 本書において語られる死刑や残虐な刑罰の否定といった思想は、例えば、彼の母国の現行
憲法にその影響力を保持し、それらの禁止を定めた条文(27条)は彼に捧ぐものとさえ
言われている。
 そればかりでなく、世界中の刑法概念はすべからく彼の洗礼を浴びている、との評価も
決して過言ではない。
 そんな罪刑法定主義の走りとも称すべき、人権概念を高らかに謳ったイタリアの巨人の
代表的著書がこの『犯罪と刑罰』。

 例えば、彼の主張のベースとなる社会契約理論の理解については、悲しいかな、拙いと
言わざるを得ないものであるし、議論の説得力においては苦しいところも散見される。
 しかし、それでもなお、それらのことはベッカリーアがこの世界に打ち立てようとした
種々の理想を否定するものではない。
 そんな彼の熱い魂に触れたい方は是非一読を。

やっぱり死刑は必要なのか?
刑罰の必要性は私的なリンチに代わる因果応報の実現と犯罪の抑止効果の両面から認められるとする刑法の原点とも言うべき主張が展開されています。これを読むと軽々しく死刑廃止なんて言えなくなります。死刑制度がある限り速やかに遂行されなければならないとさえ思ってしまいます。
フランス革命時に発明されたギロチンは残酷で、悪名高いものですが、犯罪の抑止効果はいかにもありそうです。フランスでは数十年前に廃止されましたが、数十年前までは使われていたということですね。フランス革命当時は公開処刑だったことを考えると、ぞっとします。しかし犯罪抑止効果のためなら、なるべく残酷な方法で、公開するというセオリーどおりとも言えます。近代以前の処刑は基本的に公開でした。江戸時代の処刑もそうです。近・現代において処刑を公開しなくなって来たのは、単にヒューマニズムというよりも、次第に死が日常から切り離されて来た歴史の帰結ような気がします。それは本来あるべき体臭等を忌避する、清潔なものへの異常なこだわりの歴史にもつながるような気がします。またそれは本来避けがたい老いへの恐怖、さらには若さへの異常なこだわりにもつながるのかもしれません。これはトイレタリー・メーカーの陰謀なのか?
そんなことを考えていると、非公開の残酷ではない死刑というのはベッカリーア的ではないですね。時代背景もありますが、中途半端なヒューマニズムが介在していますね。その延長線上に死刑廃止論があるような気がします。もっと別の議論はないのか?それとも今は中途半端なヒューマニズムの時代なのか?



色あせない偉業
本書「犯罪と刑罰」は犯罪学の古典中の古典と言われるべき本である。
とは言われているものの、実際に読まれたことのある方は他のコメンテーターの方が言われるとおりだと思われる。罪刑法定主義を主張し、また官吏による拷問の執行を禁じ現代刑法の骨格とも感じる観念をフランス革命以前に著していたことは賞賛に値し、その偉業は200年以上が経過した今日でも全く色あせてはいない。

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