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殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」
藤井 誠二
殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」
定価: ¥ 1,680
販売価格: ¥ 1,680
人気ランキング: 126839位
おすすめ度:
発売日: 2007-02-27
発売元: 講談社
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被害者感情は難しい
 この本のいいところは被害者遺族の率直な思いを知ることができることだろう
だがこんな書きぶりでは偏りが強く出ているようにしか見えない
被害者遺族が「殺してやりたい」と思う気持ちは当然だ。しかしその応報感情が直接罰に反映されるわけではない。悪質な交通事故の遺族は加害者に死すら望むだろう。だが故意なく人を死刑にはできない。また被害者に遺族がなかったり、被害者遺族が加害者の場合は不均衡が生じる。この本ではそういう事が書かれず、無理に厳罰主義に誘導しているようにどうしても映る。
 それに被害者感情は本当に「殺してやりたい」なのだろうか? 死にたいほどの苦しみ、痛みがありそこから逃れたいというのが正確なところではないのだろうか? 苦しい、憎い、だがもうあの人は帰らないのにあいつはのうのうとしている。そういう理不尽さ、不平等への怒りが大きいように思う。「殺したい」と「痛みから解放されたい」の間に距離はないのだろうか? 加害者の更生が道をひらくこともあろう。被害者支援の多様な取り組みに力点を移した方がよかった様に感じる。
 無論私には偉そうなことは言えない。しかし被害者の苦しみをただありのまま伝えるだけならともかく、自分の意見を交えて書く以上これくらいのことにはしっかりした答えが欲しい。
 また著者は死刑を望まない遺族の原田氏に数行だけふれ、自分の主張のために「例外中の例外」と言ってしまう。私は原田氏の著作も読んだが彼は特別な人間ではなく普通の人だ。藤井氏は死刑制度廃止のついでに被害者支援を語ることを批判する。それ自体は同意するがこの原田氏の利用の仕方を見ると不誠実さを感じる。
 この本を読んだだけでも被害者の苦しみは伝わるだろう。だが他の被害者本と比較するとどうしてもバランスを失しているようにしか見えない。自分の意見を持つことはいい。それが思わず零れるのも構わない。だがどうすれば本当に被害者のためになるのか? 社会が良くなるのかとジャーナリストならもっと考えて欲しい


ルポルタージュが必要とするもの
 後味のいい作品、とは言えない。著者の姿勢には公平さ、フェアなものが欠けていると感じる。ルポルタージュに必須なのは、過程や時間をふくめた事実の正確さだ。名指しで批判する人物や出来事に対してはとりわけそれが必要と思う。これは自らの主張の正当性、信頼性の確保にも、また読者に対する誠実さにもつながると思うが、著者にその自覚があるか疑問だ。
 たとえば光市事件で弁護人が最高裁の弁論を欠席した件について。弁護人は、1.その日は日弁連の模擬裁判という重要な予定が入っている、2.被告人がこれまでと異なる話を始めているので、資料を読み込み、精査する時間が必要である。この2点の理由を併記して裁判所に3ケ月の弁論期日の延期申請をしている。欠席を批判するのなら、藤井氏はまずここに到るまでの事実経過を読者が正確に把握できるように努めるべきだ。しかしそれはなされず、むしろ自身の主観に事実を都合よく従わせるような工夫をしていると感じる。また裁判所は弁護人の延期申請をなぜ協議の場を設けようともせず一蹴したのか。作家ならその種の疑問は当然もつのではと思うが、藤井氏は素通りだ。弁護人の職責に対する基礎的な理解も見えない。
 私達がルポルタージュを読む理由の一つは、雑誌やテレビでは知り得ない事実や洞察をその破片なりとも知りたいからだ。でもこの本は、光市事件に関する限りメディアを覆い続ける大方は無知による情報の再生拡大版のような印象を受ける。
 著者の姿勢には、犯罪被害者と遺族の考えや要求を強引に一括りにしたがる趣きがあると思う。藤井氏のいう被害者、遺族とは立場を異にする人々を一読者である私でさえ何人も数えることができるのだから、著者にはもっとさまざまな話を幅広く聞き、細やかに掬い上げる努力をしてほしかった。全体に、犯罪被害者と遺族の考えや要求はこうである、この他にはないのである、という固執を感じるから。

この人作家に向いてないと思う
主張はともかく、文章の流れや展開が、一部ならいいですが、全篇にわたって感情的になりすぎていて読みにくいです。
ひょっとしたら経緯を省いて載せているのかもしれませんが、加害者被害者に関して曲解と思わざるを得ない部分も多いですね。
また、感情的な文章自体も、妙にわざとらしく感情的に書かれている感が否めません。
他の書籍を見ても、犯罪被害者の味方をしているとはいえ、食いものにしてるだけじゃないかという気すらします。

正直そういう印象を受ける本でした。

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