刑法に関する書籍Top > 2008年書籍 > 死刑囚の記録 (中公新書 (565))
死刑囚の記録 (中公新書 (565))
加賀 乙彦
定価: ¥ 714
販売価格: ¥ 714
人気ランキング: 90215位
おすすめ度:

発売日: 1980-01
発売元: 中央公論新社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
精神科医という視点から見た「死刑廃止論」の基本文献のひとつ
先日古い本を整理していて発見、一気に再読した。
東京拘置所で精神科医として多くの死刑囚と接してきた著者の、「死刑執行に至る拘禁状態」という独自の視点から死刑の廃止を求めた書である。
購入は発行間もない時期である。発行以降の二十余年を振り返ると様々なことがあった。
まず免田さんをはじめ、再審で死刑から「帰還」を果たした人が何人も出た。
さらに私にとって最も衝撃的なのは本書にも登場する戦後の日本法医学の大権威とされた人物の数多い「血液鑑定」が、その死後になって(!)事実上「捏造」であることが明らかになったことである。
にもかかわらず、いやヨーロッパ諸国から期限付きで死刑制度の再検討を米国とともに求められながら日本は無視し、「死刑制度維持」の意思表明としてここ数年は毎年1?2人の死刑執行を行っている。
しかも議論を避ける為に国会の休会時に執行するのが常態化した。想像するに今の拘置所では死刑囚は国会の閉会・延長にも過敏になっているだろう。
本書は発行後四半世紀を経たし極めてユニークな立場からのものではあるが、読んだ方はお解りのように随所で著者が検討している被告に対する「精神鑑定」の不確実さとあわせて、「死刑廃止」に関する基本文献のひとつとしての地位は失っていない。
むしろ、前述のように死刑を巡る「科学的鑑定」の不確実さという点では現在の方が多くの問題点を提起しており、輝きが増しているように思う。
法務省は死刑制度維持の理由として「国民のアンケート」が維持多数を示していることをあげるが、死刑廃止国(事実上の廃止も含め)の多くが民意に「反して」、高度な政治的判断として「廃止の道」を選んでいる。日本より先に廃止への道を選択した韓国もそうである。
が、悲しいかな、我が国の国会は「議論の場」としての機能を殆ど失っている。
このページを見られるような理性的読書人に是非購読して、この大問題に向き合って欲しいと願う。
作家と死刑囚とのあいだの対話の記録
加賀乙彦氏は、現代日本を代表する小説家であり、精神医でもある。東京拘置所の精神科医官となり、多くの死刑囚と面接する立場になった。この作家は、死刑囚たちが置かれている極限的状況下の心理を分析し、報告している。精神医として死刑囚たちの様々な異常心理、病的状態を科学的に観察する態度を保ちつつも、実際に拘置所で創作に目覚めた死刑囚と文学談義をしたり、信仰に目覚めた死刑囚と人生、宗教、神について語り合ったりして、人間的な絆が結ばれたこともあったことも伝えている。最後に死刑囚と無期囚の違いが吟味されるが、実はこの点は、著者が範とするドストエフスキーの創作の秘密と深く関わっているので、同じ中公新書の著者の『ドストエフスキイ』も合わせ読まれることをお勧めする。
死刑囚の実態
精神科医の著者が、死刑囚がどのような精神状態になるかを
淡々と述べている。特にここに出てくるクリスチャンの死刑囚との交流が
後の彼の著書「宣告」を生んだ。
いつ死刑になるかわからない、という精神的に追い詰められた状態にある
死刑囚の描写は、ときに本から目をそむけたくなるほど、ショッキングだった。
関連エントリー
- 刑法39条 (心の病の現在)
- 犯罪学
- 死刑囚の記録 (中公新書 (565))
- 刑法三九条は削除せよ!是か非か (新書y)
- C‐Book 刑法〈3〉各論 (PROVIDENCEシリーズ)
- 決定版 刑務所の事典―カンカン踊りから懲罰房までこれがムショの掟だ!
- 名誉毀損裁判―言論はどう裁かれるのか (平凡社新書)
- 司法試験 論文の森 刑法〈上〉総論 (司法試験論文受験シリーズ)
- 十八世紀ヨーロッパ監獄事情 (岩波文庫)
- 司法試験論文合格答案集 スタンダード100刑法〈1〉行為無価値
- 犯罪学のさんぽ道 (続)
- 考える肢 刑法編 2008年版―択一式・肢別過去問集(昭和36年~平成19年) 全1831肢 (2008)
- 隣人訴訟と法の役割 (ジュリスト選書)
- 新 刑事手続〈1〉
- 新・旧司法試験完全整理択一六法刑法 2008年版 (2008) (新・旧司法試験択一受験シリーズ)
- 犯罪精神医学入門ー人はなぜ人を殺せるのか (中公新書 (1796))
- 新犯罪社会心理学
- えんしゅう本刑法―平成16年改正対応版 (司法試験Input Output)
- 刑法
- 元刑務官が明かす死刑のすべて
- はじめての刑法総論 (3日でわかる法律入門)
- 現代の犯罪
- 最新刑法犯・特別法犯犯罪事実記載要領 改訂版
- 口語 刑法 (口語六法全書)
- 被害者と加害者の対話による回復を求めて―修復的司法におけるVOMを考える
- 新しい刑法学―刑法の現代的課題 (1974年)
- 法律入門 判例まんが本〈1〉憲法・民法・刑法
- 死刑の大国アメリカ―政治と人権のはざま
- 刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフ
- 犯罪心理が面白いほどわかる本―悪に手を染めてしまう心の謎が見えてくる絵解き入門書 (絵解き入門書)
- オートマチックシステム刑法―司法書士
- 新はじめて学ぶ刑法―集団強姦罪新設、法定刑の引き上げなど改正刑法に完全対応
- 伊藤真NEWセレクション司法試験短答式過去問 3 (3)
- 平成獄中見聞録
- ケース&プロブレム刑法総論
- そして、死刑は廃止された
- フロンティア 刑法
- 犯罪者プロファイリング入門―行動科学と情報分析からの多様なアプローチ
- 刑法 (図解雑学)
- 刑法総論 第6版
- 少年犯罪の深層心理
- 犯罪被害者の心理と援助―被害者援助に携わる人のために
- アクチュアル刑法総論
- 日本の刑務所―全国59か所!! (東日本編) (バンブームック)
- 犯罪被害者支援とは何か―附属池田小事件の遺族と支援者による共同発信
- 公務員試験 新スーパー過去問ゼミ2 刑法
- 日本の刑務所 (岩波新書 新赤版 (794))
- ケーススタディ 刑法
- はけないズボンで死刑判決―検証・袴田事件 (GENJINブックレット (37))
- よくわかる刑法 (やわらかアカデミズム・“わかる”シリーズ)
- [伊藤真試験対策講座6] 刑法総論 第3版
- お父さんはやってない
- 修復的司法とは何か―応報から関係修復へ
- 基本法コンメンタール 刑法 第3版 2007年版―平成18年の法改正に対応 (別冊法学セミナー no. 192)
- C‐Book 刑法〈1〉総論―行為無価値版 (PROVIDENCEシリーズ)
- 犯罪被害者保護法制解説 (Sanseido law capsule)
- 論文基本問題刑法100選
- 治安維持法小史 (岩波現代文庫)
- 江戸のお白州 (文春新書)
- 法律学講座双書 刑法各論 第4版 (法律学講座双書)
- 新論文過去問集刑法 平成19年度版 (2007) (司法試験シリーズ)
- 新実例刑法 総論
- 犯罪統計入門―犯罪を科学する方法 (龍谷大学矯正・保護研究センター叢書)
- まんが 法律入門 刑法
- 狭山事件
- 元刑務官が明かす女子刑務所のすべて―入所から出獄まで知られざる女囚の獄中生活とは!?
- 死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う
- 伊藤真の刑法入門 講義再現版
- 刑法総論30講
- 出る順公務員地方上級・国家II種ウォーク問オリジナル問題集 (1) 専門1 出る順公務員シリーズ
- 犯罪被害者―いま人権を考える (平凡社新書)
- 刑法の争点 (ジュリスト増刊 新・法律学の争点シリーズ 2)
- 悪魔のささやき (集英社新書)
- 司法書士択一式過去問集 平成19年度版 1 (2007)
- 死刑と宗教
- 刑務官 (新潮文庫)
- 刑法判例百選 (2) (別冊ジュリスト (No.167))
- この国が忘れていた正義 (文春新書 (582))
- 刑法各論
- マネーゲーム崩壊 ライブドア・村上ファンド事件の真相
- 逐条解説犯罪被害者保護二法 (ジュリストブックス)
- [伊藤真試験対策講座7] 刑法各論 第3版
- 犯罪被害者支援の理論と実務―法律実務家と被害者支援関係者のために
- 量刑判断の実際
- 刑法(全) 第3版補訂2版 (有斐閣双書 70)
- 犯罪学原論
- 判例刑法各論
- 刑法総論の思考方法
- 刑法総論の理論構造
- 刑法判例百選 (1) (別冊ジュリスト (No.166))
- 犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)
- 伊藤塾オリジナル問題集 司法試験択一問題集〈3〉刑法 (伊藤塾オリジナル問題集)
- 論文基礎力養成講座 刑法
- 犯罪に挑む心理学―現場が語る最前線
- 最新刑法総論がよ~くわかる本―日本一わかりやすい刑法の超入門書! (ポケット図解)
- 入門法律の読み方シリーズ ざっくり刑法 (入門法律の読み方シリーズ)
- 実録!女子刑務所のヒミツ―出所したばかりの元女囚が明かす!
- 企業活動と刑事規制 (早稲田大学21世紀COE叢書―企業社会の変容と法創造)
- 刑法綱要総論
- 続 実録!刑務所のヒミツ―破獄11回「脱獄王」の全貌 (二見文庫―二見WAi WAi文庫)
- 財産犯論 (刑法基本講座)
- 伊藤真の刑法入門―講義再現版
- ストーカーの心理―治療と問題の解決に向けて
- 業界別民暴対策の実践―「暴力団排除条項」の法理と活用
- 地理的プロファイリング―凶悪犯罪者に迫る行動科学
- 津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)
- 自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」
- 地球維新〈vol.2〉カンナビ・バイブル
- 「治安国家」拒否宣言―「共謀罪」がやってくる
- 図説死刑全書完全版
- 元刑務官が明かす刑務所のすべて―衣・食・住から塀の中の犯罪まで実録・獄中生活マニュアル
- 累犯障害者
- 歴史のなかの犯罪―日常からのドイツ社会史
- 罪と罰を考える
- 司法試験論文問題集 (5) 刑法
- 刑法各論の思考方法 新版
- 刑法各論講義
- 法隆寺・金堂炎上
- 司法書士直前チェック〈7〉刑法・供託法
- まる覚え司法書士 1 憲法・刑法・民訴関係編 (1) (うかるぞシリーズ)