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アクチュアル刑法総論

アクチュアル刑法総論
伊藤 渉
アクチュアル刑法総論
定価: ¥ 3,150
販売価格: ¥ 3,150
人気ランキング: 251951位
おすすめ度:
発売日: 2005-04
発売元: 弘文堂
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

学生向けレビュー
(利点)(?)
・現代刑法の到達点を(マジで)書いた基本書。著者はいずれも未来の司法試験委員。有体に言えば山口先生、西田先生など有力な先生の弟子の筆頭株の方々。
・学説、判例の検討・解説をここまでしっかり書いた基本書はない。
・共著だけあって中立的にかかれている。結果無価値、行為無価値の対立には実はそれほど深い意味は無い、という若手研究者の一致した刑法感が感じられる。
・全体的に、かなり詳細かつ深い検討がなされている。この本を一冊マスターすれば、新司法試験も余裕ではないか、というボリューム。
(難点)
・学説の到達点だけあって、決してわかりやすくはない。ゼミで教科書に指定されて買ってみても、殆んどわからなくて即死状態、という人もかなりいた。

・西田教科書など、わかり安めの教科書と併読していくのがbetterかと思われる。

各論の登場が待たれる良書
 本書は、若手研究者の共著による刑法総論の参考書である。ロースクール向けに同種の書籍が多数出版されているが、その中でもかなり上位に入る良書である。「アクチュアル」というだけあって、最新の判例・学説が網羅されているほか、古いものでも重要な判例・学説はきちんとフォローされており、刑法総論の過去から現在までの議論状況を把握することができるよう執筆されている。
 
 また、近時通説化している結果無価値論のみに拘泥せず、行為無価値論の理論的な正当性も指摘されており、刑法における違法性(及び刑法の意義・役割)とは何か改めて考えさせられる。
 
 ただ、初学者・LS生を意識してか、各論者が自説をあえて控えていることは理解できるが、そのためかえって結論がみえず、本書で刑法的な思考方法を修得するにはやや困難なように思われる。その意味で、本書は、刑法学の本当の初学者にはお勧めできない。また、章によっては、「その?」「この?」などの記述が多く意味が取りづらい箇所も散見された。
 
 とはいえ、刑法学の最先端の議論状況を紹介する意欲的な一冊であることは間違いない。ぜひ、同じ共著者で「アクチュアル刑法各論」も執筆してもらいたいと思う。

恐れ多くもレビューします
将来、学会の中心として活動していくと思われる方々の共著。
原稿を持ち合って議論を重ねたこともあって、内容が精錬されている。問題の本質・各説の根底にある基本的考え・なぜこの要件が必要とされるのか(要件の形成過程)など、理解を深める上で必要不可欠の要素を懇切丁寧に言及している姿勢に好感が持てる。
ただ、近年盛り上がっている因果関係・客観的帰属論に関する部分については言及が若干少ない感もある。
なお、保証人的地位の問題で、注目される見解を展開している鎮目先生は、自説について一切ふれてはいない(批判に対しての応答を望んでいた者としては残念である)。
また、違法性の理論に関しては、行為無価値の論者が執筆しており、近時の結果無価値論からの批判に対する応答という観点からも見ることができる。

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