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刑法綱要総論

刑法綱要総論
団藤 重光

定価: ¥ 5,775
販売価格: ¥ 5,775
人気ランキング: 173136位
おすすめ度:
発売日: 1990-06
発売元: 創文社
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「プロトタイプ」
本書は、改めて申し上げるまでもなく、
刑法学界の最長老の手になる刑法総論の教科書です。

現在スタンダードとなっているであろう、
井田先生、西田先生、山口先生などの教科書のいずれもが、
至るところで(団藤○○○頁)として本書に言及しています。
すなわち、最先端ないし基本的な議論のほぼ全てが、
本書を基点になされているといってもいいのです。
そういう意味で、本書や平野龍一「刑事訴訟法」(1958年!)は、
学説の発展にロマンを感じながら学びたいような方には、
3冊目くらいとしてお勧めの、脅威のロングセラー教科書です。


金字塔
刑法理論は団藤先生の人格責任論につきる。それは様々な事例の解決にあたって、他のいかなる理論よりも、最も的確妥当に判断されることからも明白であろう。こうした見事な理論形成の背後には、「人間性」というものに対する団藤氏の正確無比な洞察がある。人間の不完全性を見据えながら、性悪説にも性善説にも偏らぬバランスの取れた理解がなされている。刑法理論にも一種の「流行」とも言うべきものが存する。が、一時流行し団藤理論を超えたかに見えても、大抵行き詰まり、失墜する。単に頭脳明晰なだけでは駄目なのだ。

刑法では最高
5次元方程式の解を導いたことで知られる数学者アーベルは、偉大な学者になるための条件を聞かれこう答えたと聞く。「偉大な師の書物から直接学べ、その弟子からではなく」私は、この言葉を金科玉条のごとく信じていたが、刑法学については学説の進化が激しいとか、現代的解釈が大事だとか、そのような妄言に煩わされて自分を見失っていた。大谷説、大塚説と遡り、ついに団藤博士の本にたどり着いた今、アーベルの言の正しきを知るのである。団藤博士が短い言葉に込められた深遠な意味、その定義にたどりつくまでの論証の論理性、底辺を流れる人間性への愛と信頼。すべてが素晴らしい。行為無価値を採ろうとする学習者には、最初にこれを読むことを勧めないわけにはいかない。いきなり大谷先生の本を丸暗記しようとするより、はるかに刑法が理解できると思う。私は、定義についても、大塚博士や大谷教授の言い回しではなく直接、団藤説の言い回しを使おうと思っている。その理由は、本書を読めばわかるはず。人間性を重視しながら、論理性は現代の第一線の先生より徹底していると私は感じる。一部には分量が多く通読が困難との批判があるようであるが、他のレビュアーが正当に指摘されるように、注釈が多いことに加えて、行間隔の大きさ、スペースの大きさからして、中身はとても薄い。その意味では、現代的な論点にはとても弱い。たとえば、不作為犯など現代の理論からは耐えられないほど未熟である。しかし、その欠陥を踏まえても、発行部数の少なさ故によるのか高額な点を踏まえても、なお、平野博士の刑法概説と並び、5つ星に認定する。なぜなら、この本だけで勉強を終わらせる人間はいないから、その点は問題にならないからである。そして、他の本にはない絶対的な輝きがあるからである。なお、結果無価値の現代の各種の本との比較は無意味なので、ここではしない。

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