民法に関する書籍Top >  2008年書籍 >  民法概論〈4〉債権各論

民法概論〈4〉債権各論

民法概論〈4〉債権各論
川井 健
民法概論〈4〉債権各論
定価: ¥ 4,935
販売価格: ¥ 4,935
人気ランキング: 16839位
おすすめ度:
発売日: 2006-04
発売元: 有斐閣
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

20世紀仕様の概説書
民法概論待望の第4弾。良くも悪くもとてもクラシカルな概説書です。  
先のレヴューにもある通り、図表や二色刷りといった細工はなく、徹底した正攻法で、
条文や判例を網羅的に解説していく方法をとっています。そして契約法に大きくスペースを
割き、不法行為は比較的少ししか記述されていません。
かつては、不法行為にはあまり紙幅を割かないのが普通だったそうです。
本書は、比較的簡潔でありながら網羅的であるため、かなり便利な一冊ですが、
短所がなくはないため、ちょっと決定版(本書だけですむ)とはいいがたいものがあります。
まず、ケースを使ったり、整理に工夫をしたりといった配慮が少ないので、広く初学者の
基本書としてはあまり適当でないように思いました。最近多い、具体例を豊富に取り込んだ
本と併用することがベターであり、どちらかだけに絞ってしまうのは得策ではないと
思います。
また、細かな条文知識が網羅的に盛り込まれており、学説の対立も、(意識的に絞り込んで
あるとはいえ)歴史的な細かい対立までカバーされている点も、初級者の学習能率から
いえば、長所とばかりはいえないでしょう。
この点も、重要な部分に濃淡を付けて説明された基本書との併用によって相互に補い合って
いく必要があるように感じました(例えば『ハイブリッド民法4』とか)。
一方、本書は基本書としてはかなり詳細な一冊ですが、逆に事典的な使用を考えると
少し不十分かと思います。やはり不法行為法が少なすぎるのです。
事典として据え置く1冊というのであれば、近時の諸先生のように、契約法や不法行為法に
各1冊をあてた体系書でなければ、現在の議論状況、判例実務状況をフォローしきれないと
思います。
以上いいたい放題を書きましたが、民法概論1?5はどれも“参考書”としては有用で
あることは間違いありません。ただ、若干“かゆい所に手が届かない”という感じは、
偽らざる感想として持ちました。


とても読みやすい。
簡潔な文体にして詳細な記述は本書でも健在。終身定期金等の、あまり重要度の高くない制度についても一応全条文の解説がされている。本書で川井先生の民法概論シリーズの財産法に関する部分は完結し、全範囲を通して川井説で勉強ができるようになった。特に今まで双書民法やSシリーズを使ってきた人にはお勧めである。

学説の整理・検討・分析に重点が置かれているのも大きな特徴である本シリーズだが、不法行為の部分に関しては他とちょっと雰囲気が異なる。複雑な学説の対立の検討はほとんど無く、判例・実務の見解を当然の前提として淡々と要件や事例が述べられている部分が多い。例えば損害賠償の範囲に関しては相当因果関係説の記述しかなく、保護範囲説の紹介は全く無い。また、我妻先生の「民法講義」シリーズの不法行為部分が未刊に終わっているからなのか、他の民法教科書の該当部分のページ数引用もほとんどない。

まあ、不法行為に関しては細かく説明しようとするとそれだけで本一冊ぶんを超えるボリュームになってしまうわけで、これくらいシンプルなのが学生向けとしては丁度いいと思う。判例の紹介は豊富だし、国賠法、自賠法、製造物責任法といった特別法に関する記述も丁寧である。



「辞書」として最高です
本書は全5巻からなる民法学の教科書のうち、
債権各論(契約、事務管理、不当利得、不法行為)を扱うものです。
著者が冒頭に掲げるように、
本書は学説の整理を主眼としており、
豊富な判例への言及とともに、十分な情報が体系的・網羅的にまとめられています。
反面、図解、チャートや色刷りといった要素は皆無であり、
ひと通り学んだ方が、マーカーなどを駆使して自分なりにデザインし、
頭を整理するのに最適だと考えます。
また以上より、本書は、
冒頭から段階的に叙述を積み重ね、自説をプッシュする傾向のある、
内田教授の教科書の対極にあるといえます。
したがって、同シリーズになじめない方に特にお勧めします。


関連エントリー

民法に関する書籍Top >  2008年書籍 >  民法概論〈4〉債権各論