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憲法とは何か (岩波新書)
長谷部 恭男

定価: ¥ 735
販売価格: ¥ 735
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発売日: 2006-04
発売元: 岩波書店
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このタイトルはどうかなあ。
本書は,明示はされていないが,その中身からみて,筆者が,各種法律雑誌に寄稿した
ものを一般人向けに書き直したものだと思う。
したがって,「憲法とは何か」というタイトルから感じられるほど,統一感のある書物
にはなっておらず,いわば論文集であって,雑然とした感じの書物になっている。無論,
いずれの章も,「憲法とは何か」を考えさせるものであることは間違いないが。
私としては,この本をこれから読もうとする読者に対し,もし未読であれば,まず『憲法
と平和を問い直す』から先に読むことを勧めたい。筆者の憲法理論の根幹は,『憲法と平和
を問い直す』の方が丁寧に触れてあるからである。
いわば,『憲法と平和を問い直す』は「基礎編」,『憲法とは何か』は「応用編」という
関係にある。「基礎編」から読んだ方が,「応用編」への理解も深めることができるよう
に思う。
自立した憲法学の構築
「立憲主義」とは、根底的に価値観を異にする人びとを承認し、個人の自由な生き方と社会全体の利益に向けた理性的な審議と決定のプロセスを実現することを目指す立場であること、立憲主義のもとでは、私的領域ではそれぞれが信奉する価値観・世界観に沿って生きる自由が保障され、公的領域では社会のすべてのメンバーに共通する利益を発見し、それを実現する方途を討議・決定する(公私区分)。これまで長谷部氏が展開してきた議論のエッセンスが本書でも繰り返されている。「立憲主義」を単純かつ明快に定義することで、その論争点を明確化したことが、この議論の功績だとおもう。しかし、疑問がないわけではない。長谷部氏は9条を「絶対平和主義」的に解釈することを否定し「規範的」に解釈する。そのこと自体に異論はない。しかしその根拠として提示されているのは、それが「非現実的」というものだ。しかしそれが「現実的か非現実的か」ということも、結局のところ特定の価値観に基づいているのではないか。長谷部氏の公私の区別論も、結局のところはなんらかの価値判断にもとづいてなされている。それをつきつめていけば無限後退に陥らざるをえないのではないか。
それはともあれ、長谷部氏の目途は、憲法学を憲法学たらしめる自立した体系にすることにあるのだろう。それは戦後憲法学が「手を広げすぎた」事に対する批判だろう。しかし、「手を広げた」ことによって、戦後憲法学はダイナミズムと魅力を獲得してきたともいえるのである。憲法学のアリーナを縮小することが、ひいてはその魅力とダイナミズムを喪失する陳腐化をもたらすかもしれない。
これは選択の問題だが、僕はこの「新しい憲法学」にあまり魅力を感じない。
法思想、政治思想を援用したアプロ?チ
碩学長谷部恭男の憲法入門書である。立憲主義をもとに憲法への新たなアプローチを提示する。ただP31でシュトラシアンとシュトラウスの
連続性を強調した後,P34でその相違を強調している所は少々わかりづらかった。
第1章は「論座」に掲載され『リベラルからの反撃』にも掲載された「日本の立憲主義よ
どこへ行く?」であり、その異同もなかなかに興味深い。
長谷部氏らしく様々な海外の法思想、政治思想も紹介されておりボリューム満点。
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